咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

日本呼吸器学会編集のガイドラインです。喀痰のガイドラインは世界初だったようです。

結核やCOPDなどの呼吸器疾患に対する咳嗽の治療については簡潔にしました。それでも内容は多くて、長くなっています。

咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019

咳嗽は基本的には気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応です。咳の発現には①反射的咳嗽②随意的咳嗽③気道への何らかの刺激により気道のイガイガ感に続いて咳が出そうな感覚となり発生する咳嗽の3つに分けられ、①は誤嚥時に発生する無意識での咳嗽で、②は随意的な咳嗽で心因性の咳嗽もこれに該当し、問題となる咳嗽は③ということになります。

迷走神経終末や気道上皮内に咳受容体があり、それらが過剰に刺激されて咳中枢に伝達されて咳嗽が発生します。刺激する物質としてサブスタンスP等の神経ペプチドがあり、サブスタンスPが低下すると咳嗽反射は低下して、誤嚥性肺炎につながっていきます。

 

咳嗽を持続期間で区切り、3週間未満を急性咳嗽、3週以上8週未満の人は遷延性咳嗽、8週間以上を慢性咳嗽と分類します。急性咳嗽の多くは感冒を含む気道の感染症であり、持続期間が長くなるにつれて感染症の頻度は低下し、慢性咳嗽の場合感染症はまれとなります。また咳嗽の性状として喀痰の有無により湿性咳嗽と乾性咳嗽に分類し、湿性咳嗽時は気道の過分泌も問題となります。

咳嗽の原因としてほぼ全ての呼吸器疾患が原因になりうるため、肺炎、肺癌、間質性肺炎、肺結核、肺塞栓症の鑑別を行い、喘息も聴診や問診で見落とさないようにする必要があります。血液検査の炎症反応、SpO2なども参考にして、発症数日以内でも胸部Ⅹ線やCT、気管支鏡検査なども考慮し、1-2週間以上咳嗽が持続する場合は可能であれば胸部Ⅹ線を撮像します。

急性咳嗽は急性上気道炎と感染後咳嗽が多くを占め、遷延性咳嗽においても感染後咳嗽の占める比率が高いですが、慢性咳嗽では非感染症が主体となります。副鼻腔気管支症候群、COPDは湿性咳嗽が多く、その他の疾患は乾性咳嗽ですが例外も存在します。呼吸器疾患以外の逆流性食道炎やACE阻害剤の副作用も考慮します。病歴と可能な範囲内の検査で治療前診断してそれに特異的な治療(咳喘息に対する吸入ステロイドやアトピー咳嗽に対する抗ヒスタミン薬、逆流性食道炎に対するPPI等)をして、奏効したら初めて診断が確定する治療後診断がされます。

 

喀痰とは下気道で過剰に産生された分泌物が、口腔内を経て体外に排出されたものの総称です。過剰な分泌物は主として粘液産生細胞からのムチンの産生および分泌亢進に由来しており、この反応は外界より吸入されたさまざまな物質に対する生体防御反応としてのみならず、気道の炎症や腫瘍でも惹起されます。

下気道は1日約100ml気道分泌物をされますが、線毛運動により気道外に排出されていきます。これらの分泌は自律神経支配を受けています。

病的な状態ではムチンの産生が増加してジスルフィド結合して多量体を形成し、塩分や水分の分泌異常、炎症細胞の壊死により放出されるDNAと線維状アクチン、血管透過性の亢進に伴う血漿滲出物の増加などが加わり気道分泌物の粘稠度は増加します。末梢気道でムチンの過分泌により粘液栓を形成しやすくなります。

喀痰の分類は粘液性、漿液性、膿性に分類され、原因疾患として粘液性であれば気管支炎・COPD・気管支喘息、漿液性であればARDS・肺水腫、膿性であれば肺炎・気道感染症・気管支喘息発作時などが挙げられ、肺水腫ではピンク色の泡沫状漿液性痰となり、卵白様の漿液性痰が大量に喀出されるものをブロンコレアといいます。

膿性痰であればグラム染色や培養検査をして細菌性肺炎の原因微生物決定がなされます。

喀痰治療薬には気道分泌物の産生あるいは分泌を抑制するものと、分泌物を促進するものがあります。粘液性喀痰に対して、気道分泌細胞正常化薬のフドステイン、喀痰溶解薬のブロムヘキシンやN-アセチルシステイン、粘液修復薬のカルボシステイン、粘液浸潤薬のアンブロキソールなどが用いられます。漿液喀痰に対しては粘液修復薬や粘液浸潤薬が用いられ、基本的には1剤から開始し、効果が乏しい場合は多罪に変更または併用を考慮します。効果判定は喀痰の量・粘稠度、喀痰のしやすさ、咳嗽・気道閉塞感を指標にします。

喀痰治療の原則はまず問診で呼吸器や鼻の基礎疾患の確認と、喀痰の出現時期・色調、臭い、喀出困難度とこれらの経時的な変化について情報を得ます。そして喀痰を採取し、細菌学的検査や細胞診検査を実施し、細菌学的検査では良質な喀痰を採取することが重要です。

 

  • 感染性咳嗽

何かしらの気道感染症によって惹起される炎症によって生じる咳嗽で、特殊な微生物を除いてほとんどは8週以内に自然消退するのが特徴で、無用な薬剤は使用せず自然治癒を待つように指導します。感染中でも感染後の後遺症としても咳嗽を認めますが、両者を明確に鑑別することは困難です。感染中は粘液の過生産やクリアランスの低下が起こるため咳嗽が認められ、感染後は気道上皮が障害されて咳感受性が一過性に亢進して咳嗽が誘発されます。急性咳嗽の多くはウイルス性です。マイコプラズマ感染症は一過性気道過敏性の亢進で、百日咳は気管支上皮の障害が咳嗽の誘因となります。マイコプラズマと百日咳は若年成人に後発しますが、マイコプラズマは冬季に多く、百日咳は春~夏に多い傾向です。治療としてはマクロライド系抗菌薬などを投与しますが、咳嗽の治療にはならないものの、病早期の適切な治療で罹病期間を短縮できる場合もあります。百日咳に抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド、β2刺激薬の有効性はいずれも証明されていません。肺炎の除外も必要で、体温38℃以上、脈拍100回/分以上、呼吸回数24回/分以上のいずれか一つ、または胸部聴診所見で異常があれば肺炎を疑います。75歳以上で30回/分の頻呼吸を65%に認めたと報告もあります。一般細菌の感染が示唆される場合は、β-ラクタム系薬を含めた抗菌薬の投与も考慮し、抗菌薬投与前に各細菌検査を実施して原因微生物の特定に努めます。肺炎時の喀痰コントロールは喀痰調整薬にて症状の改善を認めますが、咳の改善は認めません。合併症のない肺炎では体位ドレナージや理学療法による喀痰コントロールは推奨されていません。

感染性咳嗽の感染予防対策として、咳やくしゃみの時にティッシュペーパーやマスクで口と鼻を覆い、間に合わない場合は腕で口を覆う咳エチケットが標準とされています。患者さんとの間隔を2m保ち手指衛生の徹底が推奨されます。

  • 感染後咳嗽

臨床的な診断が基本で、風邪症候群が先行していること、他疾患が鑑別できること、自然軽快傾向がある場合に診断されます。乾性咳嗽で中高年者や女性に多く、就寝前から夜間・朝が中心のことが多いです。通常自然軽快しますが、治療薬は中枢性鎮咳薬の非特異的治療が主体となり、ロイコトリエン受容体拮抗薬は推奨されません。禁煙やマスクの着用で咳嗽誘発の刺激を避けること、飲水や飴玉でのどを浸潤させること、抗菌薬やぜんそく治療薬を服用せず自然治癒を待つように指導します。

  • COPD・慢性気管支炎

咳嗽と喀痰は死亡率の増加との関連も示されています。喫煙中なら禁煙指導をし、薬物療法は長時間作用型気管支拡張薬の吸入です。喀痰調整薬のカルボシステインはCOPDの急性増悪を抑制し、アンブロキソールは増悪を減少させます。

  • 副鼻腔気管支症候群(SBS)

慢性の湿性咳嗽を呈し鼻閉感と後鼻漏を伴います。EM600mg/日の投与2-4週で朝の喀痰量が減少し、4週目に鼻症状の有意な改善を認めますので、投与4-8週で効果を確認します。

  • DPB

抗菌薬投与は除菌に一時的な効果はあるもの長期的予後は不明です。喀痰調整薬は症状や肺機能を改善させます。14・15員環系マクロライド系抗菌薬を少なくとも6か月継続します。臨床効果は2-3か月で得られることが多く、画像や肺機能は6か月で改善が得られ長期状態が安定します。状態が安定していれば2年で治療終了し、再発時は再投与します。

  • 気管支拡張症

高分解能CTで気管支拡張像などの評価をし、喀痰検査や副鼻腔炎の確認などで診断します。マクロライド系抗菌薬の使用は改善する可能性はあるものの、耐性菌増加のリスクもあり、ガイドラインでは推奨できませんが個々の状況に応じて投与を検討します。喀痰調整薬はルーチンで用いるのにはエビデンスが不十分です。体位ドレナージや理学療法による喀痰量や呼吸機能を改善する可能性があります。

  • 後鼻漏

3週以上持続する湿性咳嗽で夜間に多く、多くは繰り返される咳払いで、鼻の奥に降りてくる感じ・垂れてくる感じの訴えがあり、ファイバースコープなどで後鼻漏の存在が確認できた場合に診断します。原因として従来型の副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、季節性・通年性アレルギー性鼻炎、慢性鼻咽頭炎があり、それに応じた治療をします。

  • 咳喘息

喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性咳嗽が唯一の症状で、呼吸機能はほぼ正常、気道過敏性経度亢進、気管支拡張薬が有効と定義される喘息の亜型です。PEFは気管支喘息よりも軽度ですが、末梢気道閉塞の指標はしばしば低値で、フローボリューム曲線の下降脚がしばしば下に凸となります。就寝時・深夜・早朝に悪化しやすいですが昼間のみの症状の人もいます。乾性咳嗽が多いですが湿性のこともあります。成人では女性に多いです。上気道炎、運動、冷気、受動喫煙、雨天、湿度の上昇、花粉、黄砂などが増悪因子です。吸入β刺激薬が有効の場合COPDの鑑別で診断できます。夜間咳嗽の持続する場合は長時間作用型β刺激薬を1-2週間用います。喀痰好酸球増多やFeNOは補助診断に有用ですが、冷気と会話による咳嗽の誘発も診断の参考になります。吸入ステロイドが第一選択薬で、吸入β刺激薬を組み合わせますが、症状が強い場合は経口プレドニゾロン20-30mgを3-7日(最大14日)投与します。吸入ステロイドが困難な場合はロイコトリエン受容体拮抗薬を代替薬とします。成人では30-40%典型的喘息に移行しますが吸入ステロイドの使用で移行率は低下します。治療開始後短期間で症状が軽快・消失した場合いつまで治療を継続するのかエビデンスはありません。低用量のステロイド吸入で1年以上落ち着いていたら、再燃のリスクを説明して中止を考慮してもいいです。

  • アトピー咳嗽

中枢気道を炎症の首座とし、気道壁表層の咳受容体感受性が亢進する非喘息性好酸球性気道炎症です。粘膜の生検では好酸球浸潤を認めますが、BALFでは好酸球の増加は認めず、FeNOも正常範囲内です。アトピー素因を有する中年女性に多く、咽喉頭の掻痒感を伴います。就寝時、深夜から早朝、起床時、早朝の順に多く、上気道感染、気温・湿度・気圧の変化、会話や電話、ストレス、受動喫煙、運動などが誘因となります。気管支拡張薬が無効で咳喘息を除外し抗ヒスタミン薬や吸入ステロイドの有効性を評価して治療的に診断します。ヒスタミン拮抗薬の有効率は60%で、2週間ほど投与して効果不良の場合吸入ステロイドの追加を試みます。経口プレドニゾロン20-30mgを使用しても改善がなければ他疾患の合併や別疾患を考えます。症状改善すれば治療は中止可能ですが、4年の経過で約50%は症状が再燃します。

  • 喉頭アレルギー

慢性的ないし断続的な抗原曝露によるⅠ型アレルギーで、慢性咳嗽と咽喉頭異常感です。感冒薬・鎮咳薬は向こうで、抗ヒスタミン薬が著効します。花粉症患者に併発することが多いです。診断基準は咽喉頭異常感が8週以上持続し、アトピー素因の存在、下気道疾患の鑑別、胃食道逆流・後鼻漏症候群の鑑別除外し、抗ヒスタミン薬で著明に改善することです。治療は抗ヒスタミン薬のほかには吸入ステロイドや麦門冬湯や麻黄附子細辛湯があります。

  • 胃食道逆流症

PPIが第一選択薬ですが、咳嗽には無効との報告もあり、食道症状は早期に改善するものの咳の改善には2-3か月要する場合があり改善度も低いです。難治例は最大量のPPIを分2投与や、眠前にH2ブロッカー追加が推奨されます。PPIの効果が明らかならば咳の原因として診断可能ですが、効果が不十分で食道運動不全の関与が大きい場合には消化管運動機能改善薬の併用となりますがエビデンスは乏しいです。食事療法、減量、逆流対策(就寝前の絶飲食、睡眠中の上半身挙上など)も推奨されます。

  • 間質性肺炎

80%の患者さんに咳症状が認められ、中枢性鎮咳薬(リン酸コデイン、モルヒネ)、知覚神経に作用する薬剤(リドカインなど)が一般的には使用されますが効果は一時的です。ピルフェニドン(商品名ピレスパ)による治療で咳嗽の減少を認めました。

  • 腫瘍

60%の肺がん患者に認められ、末梢性鎮咳薬、麻薬性・非麻薬性中枢性鎮咳薬、局所麻酔薬、喀痰調整薬、癌性リンパ管症に対するステロイド薬など個々に対して使用を検討します。

  • 異物

50-60%に認められます。(小児についてのみの記載で割愛します)

  • 睡眠時無呼吸症候群

慢性咳嗽患者を調べるとと44-84%睡眠時無呼吸症候群を認め、CPAP治療すると有意に慢性咳嗽が改善しました。

  • 高齢者における咳嗽

脳血管障害などで生じる球麻痺型嚥下障害の際に咳中枢も障害され咳嗽反射の低下が生じることが多いです。その場合中枢性鎮咳薬、ドーパミン阻害作用を有する向精神薬は夜間の嚥下反射が低下する時間帯に不顕性誤嚥を起こしやすくなるため慎重な投与が必要です。ACE阻害剤と抗血小板薬のシロスタゾールはサブスタンスPを上昇させて嚥下と咳嗽の反射を改善させますが、メタ解析ではシロスタゾールは出血の危険性があるため使用すべきないとの結果でした

  • 薬剤性

ACE阻害剤が代表的で、乾性咳嗽で咽頭のかゆみや引っ掻かれる感じを伴うことがあります。最初の服用から数時間以内に起こりますが、数か月後に出現することもあります。治療は薬剤中止が望ましく、通常は薬中止後1-4週で軽快しますが、3か月続く場合もあります。

  • 職業性・環境因子

咳嗽の誘因となる物質は有機・無機物質から農業・畜産業に関連した物質など多岐にわたり、免疫学的機序の関与する感作物質誘発型と関与しない刺激物質誘発型があります。特に勤務日と休日との咳嗽の増悪・軽快を含めた評価をします。血液検査による原因物質の特定は難しいです。原因となる環境からの隔離や適切なマスク装着などで原因物質の曝露を徹底的に回避します。改善乏しいようなら免疫学的機序なら吸入ステロイドを考慮します。

 

新たな概念として難治性咳嗽というものがあり、肺機能の1秒率の低下が著しく気道の組織損傷が疑われます。薬物療法はアミトリプチリン、ガバペンチン、プレガバリン、バクロフェンがあり、効果を認めますがめまいなどの副作用もあります。P2X3受容体拮抗薬(商品名リフヌア)はプラセボと比して有意に改善しましたが、味覚障害の副作用を認めます。PSLTIという、咳に関する教育、咽喉頭衛生のため水分補給と鼻呼吸を勧めカフェインやアルコールの制限を勧める、咳衝動の抑えや心理療法で薬物療法以外の方法で咳の改善も報告されています。

真菌関連慢性咳嗽(FACC)という、f-BMと呼ばれる環境真菌が喀痰から検出される慢性咳嗽で、少量の抗真菌薬が有効の疾患があります。f-BMの同定は一部の専門施設に限られ、抗真菌薬についても一定の見解は得られず、診断的治療も推奨されていません。

心因性咳嗽は心理学的メカニズムにより発作的にまたは連続的に起こる乾性咳嗽で、器質的所見が認められず、心理社会学的条件によって症状の消長がみられるものです。成人では女性に多く、うつ状態や不安と関連があり、咳嗽の治療成功によりうつ状態が改善するという報告もあります。犬が吠えるようなや雁が鳴くような咳嗽や、睡眠中に消失する所見は特異度は低いです。治療薬は確立されてなく、カウンセリングなどの非薬物療法や、抗不安薬・うつ薬の投与をします。

 

気道可逆性検査は、SABAのネブライザー吸入15-30分後に1秒率が12%以上かつ200ml以上改善する場合可逆性ありとします。気道過敏検査はメタコリンやアセチルコリンを低濃度より順番に吸入負荷し、気管支収縮が生じる濃度を決定します。日本アレルギー学会標準法とアストグラフ法があります。咳受容体感受性検査はカプサイシン溶液を低濃度から順番に15秒間吸入して45秒観察し、最初に咳嗽が5回以上誘発されるカプサイシン濃度を決定します。ドシメーター法ではカプサイシン溶液を1吸入のみ吸入して咳閾値を決定します。

広域周波オシレーション法による呼吸抵抗測定は、安静呼吸下の2分程度で測定可能で、気管支拡張薬に対する反応がスパイロメトリーより鋭敏です。

高張食塩水(通常3-5%)をネブライザーで吸入させて痰の喀出を誘発を促す誘発喀痰検査は、検査の成功率70-90%です。喀痰好酸球比率の正常上限閾値は2-3%を用いる施設が多いです。FeNO検査は喘息/咳喘息カットオフ値は38.8ppbと報告され、鑑別に有用です。

急性咳嗽には胸部HRCTで18.7%異常を認め、胸部X線より検出力が高かったです。

副鼻腔炎の診断や後鼻漏には副鼻腔CTが有用で、真菌性副鼻腔炎や腫瘍を鑑別します。

24時間食道pHモニタリング検査は、食道pHが4未満になって3分以内に咳嗽が出現した場合食道内酸逆流と咳嗽は関連ありと判断できますが、重症度までは相関せず非酸や気体の逆流の場合は異常を検出できません。

慢性咳嗽の気道内の異常や疾患を認める症例は1-6%で、気管支鏡検査の侵襲やコストを考慮するとルーチンに行う利点は少ないです。後鼻漏に対する上気道ファイバースコピーは有用です。

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