著者紹介
2020年3月20日初版の幻冬舎から発刊された本で、著者は蔡篤俊氏です。蔡氏は1945年台湾で生まれ、1983年に千葉大学医学部を卒業し、産婦人科、内科を勤務され順天堂大学精神科で学位を取得され、1993年に皮膚科クリニックを開業されました。
がんの原因は汚血の爆発にある
内容
18歳の時に多発性関節炎を患い、台湾と日本で西洋医学・漢方医学・民間療法などを試しましたが治すことができず、治す医者がいないなら自分が治せる医者になればいいと思い千葉大学の医学部に入学しました。しかし治療法はない、薬もない、誰も力になれないとわかり、中国5000年の医療、薬草、インド2000年の医療、メソポタミアの医療、欧米の昔の医療、日本の和漢医薬も研究しました。現代の西洋医療は200年余りで歴史が浅く、90%以上は検査機器を使用し、異常を見つけて石油から作られた人工的な化学薬品を使います。
多発性関節炎は西洋の薬では効かず、薬草を50種類集めて薬草茶の三通茶を作り、3年間毎日飲み70%よくなりました。残りの30%は鍼灸治療と自分で開発した鍼をうち、カッピングで汚い血を吸い取って体外に出す方法の治療で完全に治りました。
その後独自の理論で開発したのがNAT(New Acupuncture Therapy)鍼療法で、体に害を及ぼす様々な老廃物を含んだ汚い血を鍼と組み合わせてカッピングによって吸引する療法です。その後20年を超える臨床の結果NAT鍼療法に生薬を調合した漢方薬を組み合わせることでがんを含めたほとんどの病気を治療でき、しかも病気の予防もできることがわかりました。西洋医学を学びましたが、化学薬品は一切処方せず副作用はありません。
がん患者の最初は肺がん患者の来院で、毎月2回の鍼灸治療と汚血を吸引する治療と三通茶を飲んで15年元気でした。その後口コミでがん患者が増えて現在の汚血吸引療法が確立しました。汚血吸引療法は中国医学を土台にして、さらに研究を深め発展強化させたものです。この治療法で万病のもととなる汚血を効率的に体から排泄させることが可能です。
健康な人であれば突然変異を起こした細胞はアポトーシスによって取り除かれるので、がん細胞は生まれても増殖できずに消滅していきますが、消滅せずに増殖して巨大化していくのががんです。五臓六腑が元気で若いのは20-45歳までで年齢を重ねると老化が始まり次第に衰えていきます。
がん細胞が発生し増殖して体をむしばむまでに10-20年時間を要するケースが多く、芽生えたばかりの時期のがんは脆弱で、ここで休養や睡眠をしっかりとり運動もして筋肉が十分あればがんは消えていきます。がんは長い時間かかるので慢性病とも言え不治の病ではありません。生活習慣病と同じような慢性疾患ですから怖がることはありません。しかしがんと告げられると大抵の人はショックを受け、ストレスがかかりがんは進行するという悪循環の連鎖が始まります。ストレスが増えて新陳代謝がうまくいかないと汚血は体内にたまる一方です。抗がん剤や放射線治療を受ければ体へのダメージは大きく、衰弱した身体はますます弱っていきます。大事なのはがんと告げられた時病状を把握し自分の体の状態を知り、どのような治療を行うのが一番適切かを判断できるかです。化学薬品は人工的に作られたものですから体にとっては異物で汚血となっていきます。
てんぷらやフライなどの脂っこいものを多く食べると体内に活性酸素が多くなり内臓のがんになりやすくなります。冷えも汚血の要因となり、体温が1度下がれば代謝が12%、免疫力は30%下がるといわれています。
人間ドックや検査でがんと診断されるものでも50%はがんではありません。何もしなくていいのに何らかの治療をして治ったとされる可能性もあります。45%は軽度・中度のがんで、ステージでいうとⅠ,Ⅱ,Ⅲの段階です。5%くらいが進行の早い本当のがんです。
慢性病に対して西洋医学は薬物療法がおこなわれますが、症状を抑える対症療法であり、投与された薬は化学薬品で異物なので、体内で老廃物となって堆積し汚血となります。
休養は一番の良薬で、睡眠の質も重要で、毎日8時間以上の睡眠が理想です。
がんに限らず病気が発生する根本的な原因は、バクテリアや病原菌ではなく、体内から排泄できない毒素の累積・蓄積です。バクテリアや病原菌はきっかけにすぎません。汚血の原因となる毒素は、プラスチックなどの石油合成製品、化学薬品、農薬や食品添加物・環境ホルモン、異形タンパク質などで、毒素の多い汚血は自然に排出するのが難しいので原因となるものを体内に入れないようにすることが大事です。
異物因子が体内に沈着して骨に侵入してしまうと、骨から頑固な痛みが出ますが、これはがん患者の骨髄転移で見られ、骨髄転移の一番大きな理由は抗がん剤が骨に沈着することで、がんの転移は医療が作った病です。化学薬品は通常腎臓から尿として排泄されますが、油性の化学薬品は血液に溶け込みにくく肝臓に残る場合が多いです。化学薬品と長期にわたって飲み続けると骨に沈着し、その後徐々に全身に広がり、その状態で年齢を重ねると体中に痛みが出ます。さらに細胞と細胞の橋渡しをする細胞外液に油性の化学薬品の成分がたまると、血液からの栄養分や酸素を細胞がうまく取り込めなくなり、不要なものも排出できなくなります。
汚血がたまっているサインとして、背中の表面に凸凹がある、全身のむくみ・色素沈着、かゆみ、炎症、骨から発する頑固な疼痛があります。
人間の体にはほぼ隙間なく血管が張り巡らされていて、太い動脈・静脈から毛細血管まで合わせると地球を2周半回る長さになるといわれています。体表近くの末端の血管には両級化した赤血球や老廃物・毒素などがたまりがちでそれが汚血です。最初は体表に集まりやすいため外から物理的に取り除くことが可能で、その後だんだん奥にたまっていきます。
汚血吸引療法は吸引する場所に細い鍼を100回くらい指しますが、テクニックにより無痛で刺鍼が可能になります。真空ポンプの原理で汚血を吸引します。個人差や病気の正常の違いから回数に差が生じ5.6回の人から、がん患者の場合は30回以上必要です。一般的に初めての人はまず週に2回し、その後週1回、月1回、2か月に1回と減らしていきます。
最初に問診を受け、施術着に着替えて施術台にうつぶせになり、鍼を刺します。その後汚血を吸引し、背面が終わるとあお向けになり汚血を吸引します。施術終了後着替えて三通茶を飲みお菓子を食べてゆっくり休んで1時間程度で治療は終了です。
汚血をそのままにしていると関節や骨髄の空間にたまりさらなる病気を誘発する恐れがあります。またがんを悪化させる原因ともなりますが、汚血を取り除けば症状が改善され、あきらめず根気強く汚血をとっていくことが大切です。
健康診断などでレントゲン画像に影があり要再検査といわれた誰でも落ち込むでしょうけど、画像に移る影の半分近くが実際はがんではないといわれ、その影は汚血の塊なのです。実際影があった人を20回くらい汚血吸引治療した後に再び画像検査をすると影が消えていました。影が汚血ならば取り除けばいいだけですし、麻酔してメスを入れて臓器を切除する手術は身体に大きな負担となりあってはなりません。
がん治療にとって有効な5つ
・より良い療養生活 マッサージをして新陳代謝を促し休養する
・鍼に灸を加える遠赤外線治療 深部の汚血を叩くのに一番効果的
・NAT鍼療法 汚血を取り除く、最低30回の施術が必要で約1年かかる
・八仙茶(独自調合の漢方薬)を飲む がん因子を吸引しやすいよう体表に追い出す
・化学薬品を使わない
手術に関しては十分に体力のある初期のがんであれば切除することにも意味はあります。しかし手術をしてがん細胞を取ってもがん因子は全身に回っています。がん因子とは細胞を突然変異させてしまう毒素で、最大のがん因子はがん細胞が出す分泌物です。
八仙茶とは古い中国の書物に登場する処方で、秦始皇帝が欲しがっていた不老長寿の秘薬ともいわれていて、再現すべく生薬8種類を集めました。熊胆、牛黄、犀角、虎骨、麝香、鹿茸、伽羅油、鼈甲と動物由来の生薬がベースです。
一晩よく休めばかなり元気になりますが、初期のがんの人は身体が何かしらの症状で知らせますのでその体の声を聴きのがさないようにしましょう。目安は快眠、快食、快便で、休養により自然治癒力を養い毒素を排泄しましょう。
食生活も大事で、なるべく毒となるものは食べない、食べ過ぎに注意しタンパク質過多・脂肪過多にならないように気を付ける、排泄する量を多くするため水分を多く摂って尿の量を増やし食物繊維を意識して取って便通をよくすることです。
過度な運動も大事で身体を動かすことで心拍が上がり血流を全身に巡らせる力を強くする仕組みを持っています。運動には筋肉量を落とさないという大事な目的もあり、筋肉が減ると代謝力が低下し血流も悪くなります。なにがしかの病気を持っている人はジムなどのトレーニングでは心臓に負担がかかりすぎるかもしれません。
生活環境を見直すことも役立ちます。排気ガスや煤煙などの有害物質にさらされなくなることや、地元の新鮮な食材が手に入り加工食品を使うことも減るでしょう。時間に追われ人間関係がぎすぎすしがちな都会から離れればストレスも減ります。
感想
鍼治療はよくわからず、この治療でがんが消えるのかあまり想像はできませんが、現在は生活するうえで、いろいろな毒を取り込んで汚血になっているのでしょう。