がんが消えていく生き方

著者紹介

2020年10月6日初版のユサブルから発刊された本で、著者は船戸崇史氏です。船戸氏は1959年生まれの愛知医科大学医学部卒業の医師で、がんの手術もされたようですが35歳の時に開業されました。

48歳になったときに腎細胞がんで手術をされ、手術後再発予防に種々の代替治療などもされて、それを機に生き方を変えられ、がん患者さんのための施設をつくられてもいます。

ここで紹介した以外にもがん等に対する質問にも答えられています。

がんが消えていく生き方

内容

腎細胞癌の手術後に痛みがあり、手術のいいところはこの二度と体験したくない痛みで、この痛みに懲りて生き方を変えようとするのかもしれません。その後再発はしませんでしたが、がんは私の中にはいて、がんの言い分をしっかり聴き、生き方を転換して免疫を活性化させた生活を送っていれば、仮にがん細胞が残っていたとしてもそれ以上大きくならずに生活していける、がんは消すものではなく消えるものと思っています。

西洋医学と補完代替医療は有効ですが、最も重要なことはまずは生き方(生活習慣)を正すことが優先されます。がんができる前の生き方はいわばがんになる生き方なので、その生き方が正しく転換されたうえで、補完代替医療で回復するスピードを上げ、西洋医学の副作用の軽減や、自然治癒力を上げる効果もあります。

実際した治療は高濃度ビタミンC点滴、これを週1回のペースで2年間実施しました。活性酸素を中和して細胞が正常化するという理論に基づく治療法の還元電子治療を毎日60分実施しました。42度10分間を週2回実施するヒートショックプロテイン(HSP)入浴法を手術後半年。採血してリンパ球を取り出し1000倍くらいに培養して戻すリンパ球点滴療法を6回1クールとして2クール。体質(証)にあった生薬を煎じて毎日欠かさず服用する漢方治療。2-3か月をめどにサプリメントを試しました。

様々な補完代替医療をしましたが、最も有益だったのは療養だったのではないかと思っています。大自然の広がる生まれ故郷で、頑張って歩いて瞑想し、リラックスして座り自然と一つなるイメージを持ちそれ以外は何も考えず目を閉じてゆっくり呼吸をします。食欲もわかなかったので常に空腹状態でした。またよく眠りました。

 

標準治療では再発は偶然によって起こり、対処すべき方法はないとされていますが、とんでもない話です。あきらめずにがんに克った人がたくさんいます。切って取ったからもう大丈夫というのが大噓なのです。がんはそれまでの生き方とその習慣化の結果です。過程をそのままにしていたらもう一度出てくるのは当たり前なのです。「切って取ったからもう大丈夫、元通りの生活に戻っていいですよ。」多くの医師がそんなことを言うから再発が減らないのだと思います。三大治療や補完代替療法は治療のサポートをするもので、がんは最終的に自分自身で治すものです。がん細胞を含む私を構成するすべての身体の細胞たちへの感謝の想いもがんが教えてくれました。

病気とは本来の生き方から外れているよという呼びかけで、がんは今のままでは時間がないよという警告で有意義な病気ではないでしょうか。偶然病気になったのではなく病気にならない力(自然治癒力)を自分で邪魔し続けた結果で、体が発したSOSであるがんの言い分に耳を傾けなくてはならないと思います。

 

がんに克つ五カ条があり、睡眠、食事、運動、加温、笑いです。睡眠と食事は大前提でそれと同等に笑いが重要です。

睡眠中に種々の修復ホルモンが出て眠っている間にがんは消えるので、夜10時に寝て6時に起きる睡眠を提唱します。寝る時刻も大事で規則正しい生活習慣になります。最初はできなくても10時に床にはいって6時に起きましょう。それを繰り返していくと睡眠リズムを身体が覚えていきます。睡眠を邪魔するのは仕事と不安と痛みです。良質な睡眠を得るためにあらゆる努力と工夫を惜しまないことです。

朝目覚めて最低30分できれば1時間歩いてください。朝日を浴びながら歩くとセロトニンというホルモンが出ます。これから15時間後くらいに睡眠ホルモンといわれるメラトニンが出て3-4時間すると睡眠波が出て良好な睡眠に入ることができます。

がん細胞は本来の酸素優位で温かい環境は苦手なのです。体内に酸素が多いとリンパ球は元気になのでがんは困る状況になります。無酸素運動をするとミトコンドリアの餌になる乳酸がたまります。がん細胞にミトコンドリアは少なく、リンパ球はミトコンドリア優位です。運動すると体温が上がります。リンパ球は体温が1℃上がると活性が40%上がります。体を温めることは重要ですが、冷やさない心がけと工夫も大切です。特に下半身を冷やさないように。

食事に関して最も重要なことはまずは食への感謝です。がんは糖質が好きで正常細胞の4-8倍の栄養を必要としています。したがって糖質は減らしたほうがいいです。でんぷんも避けたほうがいいです。肉類は抗生剤やホルモン剤などの入った飼料を食べていることが問題になるので、放牧されて牧草で育っているものやジビエ肉がいいでしょう。牛乳はその乳牛が何を食べたかに加え牛自身のホルモンが、ホルモン依存性のがん(乳がんや前立腺がん等)に影響があるので少なめにしたほうがいいでしょう。赤身肉も鉄分が体内でがんの原因である活性酸素を産生する触媒になるため避けたほうがいいでしょう。どうしても食べたいなら鶏肉か天然の外遊回遊型の青魚(サンマ・イワシ)がよいでしょう。近海でとれた魚には農薬やダイオキシンなど環境ホルモンの影響があるといわれているからです。

野菜は湯通ししたほうが抗酸化作用が高まります。果物も抗がん効果の高いファイトケミカルが豊富です。おすすめのジュースは無農薬の人参3本にリンゴ1個、レモン半分をジューサーで搾り、がん予防なら200ml、がん患者さんなら400-800mlを毎日飲んでください。

調理法は焼く、炒める、揚げるよりも煮る・蒸す・茹でる方ががん化は防げます。食べる順番も大事で急な血糖上昇を招く食べ方はしない方がいいです。

断食はよくない腸内環境をリセットし宿便を出します。そうしてから植物性の食品を中心に摂りながら新しい腸内環境を創り上げていくのは有効な方法です。宿便とは主に小腸内の粘液で、食事の不摂生や食材の添加物や化学物質により腸粘膜がダメージを受け小粘膜を保護するために多くの粘液が分泌されます。この粘液内に悪玉菌が繁殖し硫化水素やアンモニアなどの有毒なガスを発生させ体を蝕むといわれています。一日三食は検討の余地がありますが、ほぼ同じ時刻に摂ることが大事です

2泊3日の断食会では初日の夕食を食べて以降翌日は飲水可能ですがずっと食べません。3日目の朝に食事をゆっくりいただきますが、2日目はぐったりして3日目の食後はみるみる元気が回復し、食べ物で動いているのだと実感し、野菜のおいしさに感動し心から食への感謝が芽生えます。末期がん患者さんは不食するとがんもろとも体が弱ってしまうかもしれません。

笑いはアトピー性皮膚炎にも花粉症にも喘息にも有効です。母親が笑いながら授乳すると赤ちゃんのアレルギーが軽減し、血糖値を下げ認知症を改善させます。炎症を悪化する物質を下げ、炎症を上げる物質を増やします。免疫機能も増やします。

がんの原因は悪ではなく無理することで、我慢して頑張りすぎて、ここに頑固が加わると習慣化してがんが生じることになります。本人はそれを当たり前と思い意識化することがありません。がんになった原因を探るときはそれに気が付くことが重要です。

再発する人の特徴はがんになる前の生き方から変わらない人と必要以上にがんを恐れる人です。大丈夫と言葉を連発していても、それは不安や恐怖の裏返しなのでそれもダメです。がんのことを考える暇があったらがんが治ったらやりたいことを考えてください。

 

ステージ4は治らないと妄信している医師は多く、価値観を押し付ける医師もいます。良くも悪くも思い込みの力、イメージの力は強力なのですが、多くの医師はそういう力をないがしろにしています。医師の言葉で傷つけ、治す力を削っていることに気付くべきです。それは医師はエリートが多く挫折を知らないことと忙しすぎるからです。今は医師の存在理由について、治すなんておこがましい、患者さんの自分で自分を治すいちサポーターに過ぎないということです。

 

がんの体験を通してこれまでの生き方・生活習慣を変えて、本来かつ本当のありのままの自分へと生まれ変わる場として岐阜県の洞戸にリボーン洞戸を開設しました。

 

感想

共感することが多く、考え方から変わることが大事でがんは自分で治す、ということが重要だとよくわかりました。がんになる前の生き方はがんになる生活習慣、は至言だと思いました。でも実際仕事や家庭などの生活環境を考えると、実践するのは難しいところもあるのではないでしょうか。

 

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