新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物

著者紹介・はじめに

2023年6月5日初版の大和書房から発刊された本で、著者は渡辺雄二氏です。渡辺氏は1954年生まれで千葉大学工学部の卒業で、1982年にフリーの科学ジャーナリストとなり、食品などの諸問題について提起し、執筆や講演をされています。

具体的な食品で食べてはいけない、食べてもいい、その中間に分けられて説明がしてあります。その後50音順に食品添加物の早わかりリストがあり説明がされています。ここでは主要なものと強調されていることのみ列挙します。

新版「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物

内容

調味料(アミノ酸等)はL-グルタミン酸ナトリウムをメインとしており、一度に大量に摂ると顔から腕にかけての熱さやしびれを感じたり、全身がだるくなります。子供の時から舌に感じていると、食品のそれが入っていないと物足りない、おいしくないと感じるようになり、本来の味がわからなくなってしまう可能性があります。

亜硝酸ナトリウムはハムやベーコンや辛子明太子などに使われ、発がん物質のニトロソアミンに変化するので食べてはいけません。さらに辛子明太子には発がん性の疑わしい赤40号、赤106号、黄5号などのタール色素が使われ、福神漬や紅ショーガは赤106号、黃4号、黃5号、赤102号などが使われ、発がん性が疑われていたり、蕁麻疹の原因になります。タール色素の青1号は発がん性が疑われます。

コチニール色素は南米に生息するエンジムシを乾燥させて抽出した色素で、摂りすぎはよくないでしょう。
カロチノイド色素の多くは安全性に問題はありませんが、クチナシ色素をラットに体力に与えると、下痢や肝臓に障害をおこしました。
カロテン色素は植物から抽出され問題ありません。
パプリカ色素はトウガラシから抽出された赤い色素で問題ありません。
カロチノイド色素はほとんど問題ないのですが、クチナシ色素も入っているのですべて安全とは言い切れません。
ウコン色素は動物実験では毒性を示唆するデータもありますが、もともとカレー粉に入っており問題ないでしょう。

 

輸送時に果物がかびないように使用される、防カビ剤のOPPには動物実験で発がん性があり、TBZには動物実験で催奇形性があるとわかっています。防カビ剤にはフルジオキソニル、ピリメタニル、アゾキシストロビン、プロピコナゾールなどもありますが、動物実験から腫瘍の発生が疑われます。
安息香酸Naは痙攣や尿失禁を引き起こしました。ビタミンCと反応して、白血病を引き起こすベンゼンに変化します。
ミョウバンは硫酸アルミニウムKで、人間が大量に摂取すると嘔吐・下痢・消化管の炎症を起こします。

 

イーストフードはパン酵母に混ぜるもので、数品目を混ぜるため、中には毒性の強いものもありますが、具体的に何が使われているのかわかりません。
香料の中には毒性の強いものもありますが、香料としか記載されないため詳細は不明です。
増粘多糖類はそうとしか表示されず、何が使われているのかわかりません。
カラメル色素にはⅠからⅣまであり、ⅠとⅡは問題ないですが、ⅢとⅣは発がん性のある4-メチルイミダゾールが含まれます。カラメル色素としか記載されていないことが多いです。
pH調整剤は35品目程度あり保存性を高めます。リン酸を多く摂るとカルシウムの吸収が悪くなり骨が弱くなる心配があります。
膨張剤は40品ほどあり、中には毒性の強いものもあります。

プロセスチーズとはナチュラルチーズを集めて溶かし、乳化剤で成形したものです。乳化剤は23品目認められていますが、中には動物実験で腎臓障害や尿細管に炎症を起こしたものもあり注意が必要です。大豆由来とある場合はレシチンと考えられ問題ありません。

 

スクラロースは自然界に存在しない化学合成物質の有機塩素化合物で、動物実験から免疫能を低下させる心配があります。
ステビアは南米原産のステビアの葉から抽出したもので、体内で代謝できる物質が、動物のオスの精巣に悪影響をもたらすためEUは使用を認めていませんでしたが、上限を決めて使用を認めました。
アスパルテームは脳腫瘍や白血病などを引き起こす可能性があります。使用は賛否が分かれています。
アセスルファムKは動物実験で肝臓にダメージを与え免疫を低下させると報告されています。
ソルビットはもともと果実などに含まれた甘味成分で安全性に問題ないと考えられます。

 

タマリンドは増粘多糖類の一つで、動物実験では体重の増え方が悪くなり肝臓が重くなりましたが、がんも発生せず食べていい添加物です。
ゲル化剤のペクチンは果実に含まれるもので心配ありません。
トレハロースは二糖類で問題ありません。
クエン酸ナトリウムは味付けや保存目的でほとんど心配ありません。
増粘剤のキサンタンガムは人間には悪影響は認めません。
豆腐を固めるときに使う塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムは、もともと海水に含まれる成分で問題ありません。

 

ワインには酸化防止剤の二酸化硫黄が添加されることがあり、頭痛の原因になります。
コーンスターチはトウモロコシからつくられたデンプンですが、アメリカなどから輸入されるトウモロコシは遺伝子組み換えのものがほとんどで心配です。米科学アカデミーは遺伝子組み換えの安全性に問題はないとしています。
加工デンプンは内閣府の食品安全委員会では安全性に懸念はないとのことですが、すべてが安全とは言い切れません。

感想

L-グルタミン酸ナトリウムと亜硝酸ナトリウムについては、何回も摂取してはいけないと強調している感じでした。その一方で何が入ってをるかよくわからないたん白加水分解物は問題ないとしていて、題名通りに、摂取していいか悪いかを判断するのはなかなか難しいと思います。食品添加物は一応は安全性に問題ないとされたものなので、大量摂取しないと大丈夫でしょうけど、添加してないものがあればそちらを優先したほうが望ましいため、購入前に原材料を確認する習慣をつけて、こういった本の知識をもって購入して口にしていきたいものです。

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